金目川の基礎知識


Q:金目川水系にはどんな川があるの?

 

A:金目川水系には、大山に源流を持つ大山川(おおやまがわ)、渋田川(しぶたがわ)、歌川(うたがわ)、鈴川(すずかわ)、大根川(おおねがわ)、善波川(ぜんばがわ)など、表丹沢に源流を持つ水無川(みずなしがわ)、金目川(かなめがわ)、葛葉川(くずはがわ)、大磯丘陵から流れ出す室川(むろかわ)、河内川(こうちがわ)、座禅川(ざぜんがわ)などがあります。また、金目川の最下流部は、花水川(はなみずがわ)と呼ばれています。

 

【地図は神奈川県ホームページから

Q:金目川と花水川は違うの?

A:同じ川です。金目川は平塚大橋あたりから下流では花水川(ハナミズガワ)と呼ばれています。

 昔は桜の花が水面いっぱいに映る、美しくて風情のある川でした。川の名の由来は、源頼朝が花見に来た時、花は前夜の嵐で散ってしまったあとでした。桜の花を見損なって「花見ず」の川と行ったことが始まりとの言い伝えがあります。真偽の程は別にしても、鎌倉時代初期には桜の名所として有名だったことがわかります。

 

 文明18年(1486年)京都聖護院の名僧道與(どうよ)は

 咲くとみえ 散るとみゆるや 風わたる 花水川の 浪のしらたま

と詠んでいます。

【せせらぎ通信 第2号 から】

Q:金目川水系というけれど、そもそも金目(かなめ)の名の由来は?

A:金目(かなめ)の名の由来には、いくつかの説がありますが、ここでは「カナエ」からの訛語(かご)という説を紹介しましょう。

「金江」を「カネエ」ともいい、古くは金目川を金江川と書いたものもあるそうです。この金江川とは、金気を多く含んだ水が流れる川という意味を表しています。それを裏付けるかのように、金目川流域の第三紀層やローム層からは、水酸化鉄がにじみ出た赤さびた水(金気の水)がよく見受けられるそうです。カナエ → カナエ → カナメと転訛(てんか)し、カナメに金目の文字を当てたのかもしれません。

【せせらぎ通信 第3号 から】

Q:金目川水系は、汚れているの?

 

 金目川水系の約20地点で、一般的な化学分析法で水質を調査しています。今回は上流部の汚染状況を報告します。

 秦野市の落合で合流する葛葉川は、秦野自動車教習所付近の工場密集地から、まず汚れがひどくなります。

 室川橋付近では、市の中心部を流れてきた水無川と室川が合流し、汚濁が一層進みます。

 次に小田急鉄橋の上手で秦野上水管理センターの処理水が流入します。ここでの処理は有機物の微生物分解が主なため、処理水に依存するアンモニア性窒素などの流入により、窒素の割合が高くなります。(藤野研究室:門多、久保、高井、福山、堀井)

Q:川原の「帰化植物」って何ですか?

 金目川・相模川・酒匂川で河原の植生調査を行いました。ネズミムギやオオブタクサなどの”大型帰化植物”が多く見られたことが全般的な特徴でした。特に金目川では育ちがよく、夏季には3メートルもの草もありました。
 植生調査した土屋橋付近の水には、肥料成分になるアンモニア窒素やリンが多く含まれていました。葉を分析したところ、やはり、リンの含有率がほかの河川の植物より高い結果になりました。
 今後は、窒素の分析も行い、植物体がどれだけの窒素やリンを吸収しているかを調べてみるつもりです。
(佐々木研究室:天野、小野澤、寺門)

 

 

Q:金目川にはどんな魚が暮らしているの?

 金目川には、ウナギ、コイ、ドジョウ、ナマズ、アユ、ハゼなど、たくさんの種類の魚が暮らしています。詳しくは、このホームページの刊行物コーナー「金目川の魚類」という冊子を載せていますので、ご覧ください

 それらの魚の中には、卵から生まれ、稚魚・幼魚・成魚と成長し、産卵するまでの生活を金目川で送る魚もいます。

 ここでは、ハゼ科のヨシノボリノという魚の生活史を紹介します。

Q:金目川には蛍もいるの?

 金目川の流域には、たくさんの蛍が見られる場所があります。

 平塚市が管理する「金目親水公園」では、ホタルの生息環境を整えており、毎年ゲンジボタルが飛び交っています。平塚市のホームページを見てください。

 ここでは、金目川支流の、ある場所で撮影した蛍の写真をご覧ください(撮影日は2019年6月1日)。